最近、お客様とお話をしている中で、これまで以上に増えてきたと感じるのが「金利」の話です。
昨年から金利上昇が意識されるようになり、
「金利が上がれば不動産価格は下がるのではないか」
「今は買わずに、少し待った方がいいのではないか」
というご質問をいただくことも増えてきました。
確かに、住宅ローンの金利が上がれば、同じ金額を借りても毎月の返済額は増えます。そのため、購入できる価格帯を下げる方や、いったん購入を見送る方が増える可能性があります。
買い手の力が弱くなれば、不動産価格の上昇に一定のブレーキがかかる。これは十分に考えられることだと思います。
ただ、お客様から「では、これから不動産は上がるのですか、下がるのですか」と聞かれた場合、私はまず、
「将来の価格を正確に予測することはできません」
とお伝えしています。
そのうえで、ここからは私自身の考えと、これまでの不動産市場を見てきた経験を踏まえた話になります。
金利上昇=不動産価格下落とは限らない
金利を上げる背景には、物価上昇を抑えるという目的があります。
その意味では、金利上昇は不動産を含めた資産価格の上昇を抑える方向に働きます。
しかし、もう少し長い目で考えると、話はそれほど単純ではありません。
日本では長い間、物価がほとんど上がらない、あるいは下がる時代が続きました。そのため私たちは、「将来は物の値段が下がるかもしれない」という感覚に慣れてしまった部分があります。
しかし本来、経済が成長し、賃金や所得が増え、企業活動が活発になっていけば、物価も緩やかに上昇していくのが自然な姿の一つです。
問題なのは、インフレそのものではなく、物価だけが急激に上がり、所得が追いつかない状態です。
今後の日本が、急激なインフレになるのか、緩やかな物価上昇になるのか、あるいは再び横ばいになるのか。
ここは非常に重要なポイントだと思います。
長期では「物の価値が上がる」という考え方も必要
不動産も一つの商品です。
土地、建築資材、人件費、運送費、設備費など、さまざまな費用によって価格が成り立っています。
こうしたものの価格が長期的に上昇していけば、不動産だけが大きく値下がりし続けるとは限りません。
もちろん、不動産なら何でも値上がりするという意味ではありません。
人口、立地、駅からの距離、土地の形状、建物の状態、管理状況、地域の需要などによって、将来の資産価値には大きな差が出てきます。
今後は、単純に「不動産が上がるか、下がるか」ではなく、
「どの不動産を持つのか」
ということが、これまで以上に重要になるのではないでしょうか。
東京23区人口の流入(インバウンドも含めた)が多く、この点ではまだまだ資産価値は健在です。
金利だけを見て購入時期を決めない
金利が上がったから買わない。
価格が下がりそうだから待つ。
こうした判断も一つの考え方です。
ただ、住宅購入の場合、投資だけではなく「自分や家族がどこで、どのように暮らすのか」という時間の問題もあります。
5年待てば5歳年齢を重ねますし、その間の家賃も発生します。
逆に、無理をして高額な住宅を購入する必要もありません。
ですから私は、
金利、物件価格、年齢、収入、家族構成、将来の資産価値を総合的に考えること
が大切だと思っています。
持ち家はインフレに対応する一つの方法でもある
不動産は昔から、比較的インフレに強い資産の一つと言われています。
現金の価値は物価が上昇すると相対的に低下しますが、土地や建物などの実物資産は、物価上昇とともに価格が変化する可能性があります。
その意味では、自宅を単なる「住むための費用」と考えるだけではなく、長期的な資産形成の一部として考えることにも意味があると思います。
もちろん、
「賃貸がいいのか」
「持ち家がいいのか」
という問題に、一つの正解があるわけではありません。
年齢や職業、家族構成、転勤の可能性、収入、資産状況によって答えは変わります。
この「賃貸か購入か」というテーマについては、また別の機会に詳しく書いてみたいと思います。
これから住宅を探す際には、物件価格だけではなく、金利や将来の資産価値についても考える時代になってきました。
ただし、将来の価格を当てることだけを目的にするのではなく、今の生活と将来の生活の両方を考えながら、自分に合った住宅を選ぶこと。
これが一番大切なのではないかと思っています。
東新ハウジング株式会社 清水
義則